Fire
05.05.03


また夢を見た
子供の頃に掲げた夢
叶えて笑う夢を見た
いつの日か消えた夢の炎は、燻り続けて煙を出して
渦巻く煙に惑わされて、私はいつしか足を止めた
夢の炎の燃えカスに、また火を点けるのはいつなんだろう?
手にしたライター握り締め、何故人はずっと立ち尽くすの?
火の点け方が、わからないから?
炎を見るのが、怖いから?

また夢を見た
正義を掲げて戦う夢
最後に逃げる夢を見た
ささくれだらけのプライドは、私の心に突き刺さって
流れる鮮血は固まって、沢山の仮面になってしまった
積み重なったその仮面を、脱ぎ去る時はいつだろう?
縁に掛けたその手を止めて、何故それを恐れるの?
素顔を見せるのが、怖いから?
素顔が誰か、わからないから?

また夢を見た
終わり無き道に怯える夢
震え立ち上がる夢を見た
どこまでも続くこの道は、ずっと終わりが見えないけど
何もせずに立ち尽くし、腐っていきたくはない
出会いも別れも飛び越えて、力尽き立ち止まるまで
止まりながら、振り向きながら、僕らはずっと歩き続ける
引き返すことを我慢して、僕らはずっと歩き続ける
夢の炎が燃え上がるまで
素顔の自分と会えるまで
疲れ果て倒れる時まで